CDの話(2)

CDやDVDの記録層には、小さなピット*1と呼ばれる突起がいくつも並んでいる。光ディスクの容量は、大体このピットの密度に比例すると言ってよい。しかし、ピットを小さくするには限界がある。それを決めるのが、ピックアップに使われているレーザの発する光の波長である。

光ディスクでは、レンズで小さく絞りこんだレーザ光(ビームスポット)を反射させることによって、ピットによる凹凸を読み取っている。そのため、ビームスポット径に対してピットが小さすぎれば、その凹凸を判断することができない。では、ビームスポット径を小さくすれば良いかというと、それにも限界がある。

最小ビームスポット径は、おおよそレーザ光の波長に比例し、レンズの開口数*2に反比例した値で決まってしまうためだ。しかし、開口数を大きくすることは難しい*3。つまり、光ディスクの容量を大きくするのに一番簡単な方法は、レーザ光の波長を短くするということになる。その証拠に、レーザ光の波長は、CD(780nm)→DVD(650nm)→次世代DVD(405nm)とどんどん短くなっている。

*1:本来の意味は「窪み」

*2:分解能を表す指数

*3:開口数が大きい=焦点距離が短い=レンズをディスクに近づける